建物には、空間に出てくる「構造上の形状」というものがあります。
あえて、その構造を生かして空間を構築したり、その構造を隠して目立たなくしたり・・・。
今回は、屋根の構造がそのまま内部の天井の形状になる、傾斜(勾配)天井について考えます。
一般的に天井は「吊り天井」が多く、フラットな天井がよく見られますが、
近年、断熱技術や構造技術の向上のおかげにより、屋根の傾斜(勾配)をそのまま利用した天井が増えてきました。
同じ面積でも、天井が高くなると空間の大きさの感じ方が全然違いますよね。
また、傾斜(勾配)の角度によっても、空間の印象が随分変わるのも面白いところ。構造上、梁が出てきたり、
壁の角度によっても動きが出てくるなど、広がり感を感じられます。
天井が高く圧迫感を感じにくい分、色味や素材などで遊べるのも良いところです。
傾斜(勾配)天井という、構造上の特性を生かした空間づくりのお手本ともいえる実例を見ていきましょう。
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出典:ストークホーム/ 株式会社タカオホームソリューションズ
元々、けして狭いリビングではないですが、かなりきつい傾斜(勾配)が、空間をダイナミックな物にしています。
壁の構造と相まって、ちょっと複雑な形状になっているのも面白いところ。
シックな色味の壁と天井が、落ち着きのある雰囲気に仕立てられて素敵ですね。
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出典:株式会社イムラ
1階の屋根の緩めの傾斜(勾配)がそのまま出てきているのが、一目でわかる空間。
無垢の木の梁も天井のアクセントとなり、シンプルな中に、日本建築の船底天井を感じさせる物になっています。
夜も、照明が梁の影を印象的に作りあげて、しっとりとした雰囲気に。
このように、構造上出てくる要素としての傾斜(勾配)天井は、広がりを感じられる、非常に有効な建築方法です。
この空間性を単純に図面で見ると、なかなか分かりにくいこともあります。
例えば、
■「広さ」を見るには、『平面図』で、傾斜(勾配)天井が車線の部分だとすると・・・
■「高さ方向」を見るには、『立面図』、『展開図』や『矩計図』などですが・・・
分かるような?、分からないような・・・??。
でも、3Dならかなり近いイメージが想像できますね。
傾斜(勾配)天井と、フラットな天井が組み合わさっていて、テレビがある間仕切り壁の高さをどれくらいにしよう・・・?
という検討が簡単にできるようになります。また、壁の位置によって、天井の形状がどのようになるかも確認できますね。
奥行き感や、ボリューム感をより実際の感覚に近いものとして捉えられます。建築前に確かめてみませんか?
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担当: 岩城
Editor: M.Y